究極の水中写真ギア・イノンのすべてを語る
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色の調整を追及したストロボ拡散板

~太陽光での撮影と同じ自然な色を再現~

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●拡散板の目的

 ストロボの発光面に装着する白色の板のことを、「拡散板」「拡散フィルター」「減光板」「減光フィルター」など各社さまざまな呼び方をしている。実際のところ、同じ製品でも「拡散」も「減光」も両方の効果があるため、特に区分けはされていないようだ。イノンでは「拡散板」と称している。
 この「拡散板」だが、「拡散」のために使うのか、「減光」のために使うのか、その効果を理解したうえで装着したほうがよい。
 半絞分だけ落とすなど光量を微調整したい場合や、ストロボの最小光量よりもさらに弱い光が必要な場合などに、「減光」を目的で拡散板を使う。たとえば、開放絞りで自然光を生かした作品を撮りたい時、ストロボ光を極微弱に発光させることがある。S-TTLの2灯撮影時は、左右の光量のバランスを変える事ができず、フラットなライティングとなってしまう。左右どちらのストロボに拡散板を付けるか、左右に別の減光効果のある拡散板を付けることにより、ストロボの光量に強弱ができ、被写体に影をつけることが可能となる。
 ストロボの照射角を広げたい場合は、「拡散」を目的で拡散板を使う。水中撮影で使用するストロボは、照射角が広いほうが有利だ。水中画角が約100°のワイドコンバージョンレンズ「UWL-100 28AD」を使って撮影する場合、照射角100°のストロボをカメラの画角にピッタリと合わせることは難しい。ストロボの照射角に余裕があれば、多少ストロボがずれていても、失敗写真は避けられるだろう。また、水中画角が約165°もあるフィッシュアイコンバージョンレンズ「UFL-165AD」で撮影する場合、画面全体に光を回すには、ストロボを2灯必要となるが、ストロボの照射角が広いほど光をより回しやすくなる。
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●イノンの拡散板システム

 イノンのストロボ「D-2000」シリーズと「Z-240」シリーズの照射角は、拡散板なしで円形配光100°あり、専用の拡散板を装着することで円形配光110°へ広げることができる。光量は「-0.5絞り分減光」と「-1.5絞り分減光」の2タイプ用意されている。特に、-0.5拡散板は、光量が-0.5絞り分しか落ちないので、どうしてもFULL発光が必要となるシーンでなければ、照射角をかせぐために常に装着しておくことも可能だ。

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(左)外部オート対応-0.5白拡散板 (右)外部オート対応-1.5白拡散板


●色温度とは

 デジタルカメラ関連以外にも、自動車のヘッドライトや室内照明など様々な分野で「色温度」や「ホワイトバランス」という言葉を目にするようになってきた。実際、色に冷温の温度差があるわけではなく、光の色を表すための指標として温度という言葉、単位はK(ケルビン)を使っている。詳しい説明はここでは省略するが、デジタルカメラユーザーが覚えておくといいのは、晴天日中の太陽光の光は5500K付近。白熱電球などのオレンジ色がかった光は2800K前後。曇天の太陽光は青みがかっていて、7000K前後。色温度の高い光の下では、白い物が青っぽく見える。逆に色温度が低い光の下では赤みがかって見える。

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光の種類と色温度の関係


●デジタルカメラのホワイトバランス機能

 デジタルカメラには必ず付いている機能である「ホワイトバランス(WB)」。「オート」「晴天」「曇天」「電球」「蛍光灯」など設定を変えて撮影することで、画像の色合いを変えることができる。
 ホワイトバランスというのは、名前の付け方がよくなかったためか、誤解を生じている人も多いようだ。デジタルカメラの取扱説明書などで、ホワイトバランスを「目で見たままの色に写す」という表現がよく使われている。それよりは、「晴天の12時ごろの太陽光(色温度5500K近辺)の下で見た色に補正する」カラーフィルターと呼んだ方が合っている。
 ホワイトバランスを「晴天」に設定した時は補正無く、目に入ってくるそのままの色が再現される。ホワイトバランスを「雲天」に設定すれば、青い色を白くするため、赤色のフィルターをかけたように補正される。ホワイトバランスを「電球」にすれば、赤い色を白くするため、青色のフィルターをかけたように補正される。
 例えば、色温度の低い白熱灯が照明に使われている結婚式場では、白いドレスがオレンジ色っぽく見えるはずだ。目で見たままに写すということなら、オレンジ色っぽいドレスで写っているはず。ところが、ホワイトバランスを「電球」に設定すれば、ドレスは白色に写る。これは、晴天の12時ごろの太陽光の下で見たドレスの色、つまり白色に写るようカメラが色補正したということだ。ホワイトバランスを「晴天」に設定すれば、ドレスは目で見たままのオレンジ色にかぶった色に写る。
 ホワイトバランスを「オート」にした場合は、撮影する環境光の色温度をカメラが判断して、ホワイトバランスの設定を自動的に設定する。最近のデジタルカメラは、あまり色を抜かず自然な雰囲気を保とうとするオートホワイトバランスが多いようだが、なかには強力に補正する機種もある。
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●水中撮影に適したホワイトバランス

 商品撮影で白を白として撮影する場合や、ポートレートで人肌の色を美しく撮りたい場合など、光源による色かぶりを補正するため、カメラのホワイトバランスを調整する必要がでてくる。一方、屋外のネイチャー写真では、夕日で赤く染まっている色、森林の中で緑にかぶっている色が普通の状態で、人間もそれを普通の状態として見ているはずだ。水中でも、水で青かぶりしている色が、自然な状態として見ている。目で見た印象に近い自然な色合いで水中を撮影するには、ホワイトバランスは「晴天」に固定するとよいだろう。
 水中ではストロボなどの人工照明を使って撮影することが多いと思う。マクロ撮影で狭い範囲を撮影する場合など、画面全体がストロボ光で照らされていて、自然光を無視できる状況であれば、ストロボ光の色温度はいくらでもいい。スタジオで商品撮影をするときと同じで、光源に合わせてカメラ側のホワイトバランスを調整すればよい。
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マクロ撮影では、ストロボ光の色温度が低くても、カメラのホワ
イトバランスをそれに合わせれば自然な色合いで撮影できる

 しかし、水中の自然光とストロボ光がミックスするようなシーンでは、そうではいかない。ストロボ光よりも自然光の影響が強い背景の海や景観は、ホワイトバランス「晴天」にしたほうが、自然で好ましい色合いに写る。ストロボ光の色温度に合わせてカメラのホワイトバランスを動かすと、自然光があたっている背景と、ストロボ光のあたっている被写体の色合いのバランスが崩れて、不自然な部分ができてしまう。背景も被写体も自然に美しく写し出すには、カメラのホワイトバランス「晴天」に固定して、ストロボ光の色温度をそれに合わせて5500K前後にする必要がある。
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自然光とストロボ光がミックスするシーンでは、カメラのホワイト
バランスとストロボ光の色温度が5500K付近になるのが望ましい

 イノンのストロボ「D-2000」シリーズと「Z-240」シリーズは、すべて色温度5500Kで統一されている。ストロボを2灯使用して撮影する場合、左右のストロボで色温度が異なると、光の色の違いで不自然な色が写ることがある。イノンのストロボであれば、異なる機種を組み合わせても、常に安定した色温度でストレスなく撮影できる。
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            Z-240“Type 3”        D-2000“Type 3”


●色温度をほとんど変えない白拡散板

 ストロボに「拡散板」を装着した場合、光の色温度はどうなっているだろうか。5500Kに調整されたストロボ光が、拡散板を通過したことで色温度が大きく変わってしまったのでは、せっかく自然な色合いになるよう調整されたデジタルカメラとストロボのバランスが崩れてしまう。
 一般に使われている拡散板の中には、装着することでストロボ光の色温度を数百Kも低下させるものがある。イノンの白拡散板は、ストロボ光の色温度をほとんど変えずに照射角を広げている。その値は5400Kと、たった100Kの低下だけに抑えている。
 イノンZ-240ストロボを使って、拡散板によってどれくらい光の色が変わるか、簡単な実験をしてみた。
 (1)拡散板なし
 (2)-0.5白拡散板装着
 (3)色コントロールしていない拡散板装着
それぞれの条件で、白い背景紙を露出が同一になるようS-TTLで撮影した。色を調整していない(3)の拡散板では、ストロボの色温度が下がってしまい、光に赤みが加わっているのがわかる。

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(1)拡散板なし

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(2)-0.5白拡散板装着

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(3)色コントロールしていない拡散板装着
  色温度が下がって赤みが加わっている

 一般的に出回っている乳白色半透明のアクリル樹脂は、見た目(反射光)が真っ白でも、光を透かしてみると透過される光が赤黄色に見える。このようなアクリル樹脂をストロボの拡散板に使うと、5500Kに調整されていた光が拡散板を透過するときに赤黄色のフィルターをかけた状態となり、光の色温度が下がってしまう。イノンは、このような樹脂特有の赤黄色を打ち消すため、拡散板の材料に青色の成分を添加している。その青色の濃度も数々のサンプルを作り、比較検討して最適なものを決定している。
 イノンの白拡散板は、「ただ白い拡散板」ではなく、「白いものが白く写るようコントロールされた拡散板」なのだ。

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市販のアクリル樹脂を通して蛍光灯の光を見ると、
白い光が赤黄色に変色してみえる

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最適な青色を探すための拡散板の試作品の数々


●作風やシーンに合わせて色温度をコントロールするストロボシステム

 プロフェッショナルな撮影シーンでは、撮影機材の特性が安定しないのは、ストレスとなる。たとえば、発光量が不安定なストロボは、シャッターを切るたびに露出が変わってしまい、いつまでたっても狙った露出で撮影できなくなる。ストロボの色温度も、機種ごとに異なっていたり、拡散板の「ある・なし」などの条件で変わったりするのも、作品の色調に影響を与える。イノンのストロボシステムは、こういった厳しいプロのニーズに応えられるよう、またアマチュアも安心して撮影できるよう、ユーザーの声と数多くの撮影サンプルを元に商品企画をしている。
 今後は、水中でモデルの女性の肌を健康的に再現したい、濁った海でもクリア感をだしたいなど、撮影者の意図や好みに対応できるよう、ストロボ光の色温度をコントロールできる拡散板システムにも取り組んでいく予定だ。



テーマ:水中写真 - ジャンル:写真

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