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究極の水中写真ギア・イノンのすべてを語る
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色の調整を追及したストロボ拡散板

~太陽光での撮影と同じ自然な色を再現~

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●拡散板の目的

 ストロボの発光面に装着する白色の板のことを、「拡散板」「拡散フィルター」「減光板」「減光フィルター」など各社さまざまな呼び方をしている。実際のところ、同じ製品でも「拡散」も「減光」も両方の効果があるため、特に区分けはされていないようだ。イノンでは「拡散板」と称している。
 この「拡散板」だが、「拡散」のために使うのか、「減光」のために使うのか、その効果を理解したうえで装着したほうがよい。
 半絞分だけ落とすなど光量を微調整したい場合や、ストロボの最小光量よりもさらに弱い光が必要な場合などに、「減光」を目的で拡散板を使う。たとえば、開放絞りで自然光を生かした作品を撮りたい時、ストロボ光を極微弱に発光させることがある。S-TTLの2灯撮影時は、左右の光量のバランスを変える事ができず、フラットなライティングとなってしまう。左右どちらのストロボに拡散板を付けるか、左右に別の減光効果のある拡散板を付けることにより、ストロボの光量に強弱ができ、被写体に影をつけることが可能となる。
 ストロボの照射角を広げたい場合は、「拡散」を目的で拡散板を使う。水中撮影で使用するストロボは、照射角が広いほうが有利だ。水中画角が約100°のワイドコンバージョンレンズ「UWL-100 28AD」を使って撮影する場合、照射角100°のストロボをカメラの画角にピッタリと合わせることは難しい。ストロボの照射角に余裕があれば、多少ストロボがずれていても、失敗写真は避けられるだろう。また、水中画角が約165°もあるフィッシュアイコンバージョンレンズ「UFL-165AD」で撮影する場合、画面全体に光を回すには、ストロボを2灯必要となるが、ストロボの照射角が広いほど光をより回しやすくなる。
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●イノンの拡散板システム

 イノンのストロボ「D-2000」シリーズと「Z-240」シリーズの照射角は、拡散板なしで円形配光100°あり、専用の拡散板を装着することで円形配光110°へ広げることができる。光量は「-0.5絞り分減光」と「-1.5絞り分減光」の2タイプ用意されている。特に、-0.5拡散板は、光量が-0.5絞り分しか落ちないので、どうしてもFULL発光が必要となるシーンでなければ、照射角をかせぐために常に装着しておくことも可能だ。

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(左)外部オート対応-0.5白拡散板 (右)外部オート対応-1.5白拡散板


●色温度とは

 デジタルカメラ関連以外にも、自動車のヘッドライトや室内照明など様々な分野で「色温度」や「ホワイトバランス」という言葉を目にするようになってきた。実際、色に冷温の温度差があるわけではなく、光の色を表すための指標として温度という言葉、単位はK(ケルビン)を使っている。詳しい説明はここでは省略するが、デジタルカメラユーザーが覚えておくといいのは、晴天日中の太陽光の光は5500K付近。白熱電球などのオレンジ色がかった光は2800K前後。曇天の太陽光は青みがかっていて、7000K前後。色温度の高い光の下では、白い物が青っぽく見える。逆に色温度が低い光の下では赤みがかって見える。

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光の種類と色温度の関係


●デジタルカメラのホワイトバランス機能

 デジタルカメラには必ず付いている機能である「ホワイトバランス(WB)」。「オート」「晴天」「曇天」「電球」「蛍光灯」など設定を変えて撮影することで、画像の色合いを変えることができる。
 ホワイトバランスというのは、名前の付け方がよくなかったためか、誤解を生じている人も多いようだ。デジタルカメラの取扱説明書などで、ホワイトバランスを「目で見たままの色に写す」という表現がよく使われている。それよりは、「晴天の12時ごろの太陽光(色温度5500K近辺)の下で見た色に補正する」カラーフィルターと呼んだ方が合っている。
 ホワイトバランスを「晴天」に設定した時は補正無く、目に入ってくるそのままの色が再現される。ホワイトバランスを「雲天」に設定すれば、青い色を白くするため、赤色のフィルターをかけたように補正される。ホワイトバランスを「電球」にすれば、赤い色を白くするため、青色のフィルターをかけたように補正される。
 例えば、色温度の低い白熱灯が照明に使われている結婚式場では、白いドレスがオレンジ色っぽく見えるはずだ。目で見たままに写すということなら、オレンジ色っぽいドレスで写っているはず。ところが、ホワイトバランスを「電球」に設定すれば、ドレスは白色に写る。これは、晴天の12時ごろの太陽光の下で見たドレスの色、つまり白色に写るようカメラが色補正したということだ。ホワイトバランスを「晴天」に設定すれば、ドレスは目で見たままのオレンジ色にかぶった色に写る。
 ホワイトバランスを「オート」にした場合は、撮影する環境光の色温度をカメラが判断して、ホワイトバランスの設定を自動的に設定する。最近のデジタルカメラは、あまり色を抜かず自然な雰囲気を保とうとするオートホワイトバランスが多いようだが、なかには強力に補正する機種もある。
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●水中撮影に適したホワイトバランス

 商品撮影で白を白として撮影する場合や、ポートレートで人肌の色を美しく撮りたい場合など、光源による色かぶりを補正するため、カメラのホワイトバランスを調整する必要がでてくる。一方、屋外のネイチャー写真では、夕日で赤く染まっている色、森林の中で緑にかぶっている色が普通の状態で、人間もそれを普通の状態として見ているはずだ。水中でも、水で青かぶりしている色が、自然な状態として見ている。目で見た印象に近い自然な色合いで水中を撮影するには、ホワイトバランスは「晴天」に固定するとよいだろう。
 水中ではストロボなどの人工照明を使って撮影することが多いと思う。マクロ撮影で狭い範囲を撮影する場合など、画面全体がストロボ光で照らされていて、自然光を無視できる状況であれば、ストロボ光の色温度はいくらでもいい。スタジオで商品撮影をするときと同じで、光源に合わせてカメラ側のホワイトバランスを調整すればよい。
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マクロ撮影では、ストロボ光の色温度が低くても、カメラのホワ
イトバランスをそれに合わせれば自然な色合いで撮影できる

 しかし、水中の自然光とストロボ光がミックスするようなシーンでは、そうではいかない。ストロボ光よりも自然光の影響が強い背景の海や景観は、ホワイトバランス「晴天」にしたほうが、自然で好ましい色合いに写る。ストロボ光の色温度に合わせてカメラのホワイトバランスを動かすと、自然光があたっている背景と、ストロボ光のあたっている被写体の色合いのバランスが崩れて、不自然な部分ができてしまう。背景も被写体も自然に美しく写し出すには、カメラのホワイトバランス「晴天」に固定して、ストロボ光の色温度をそれに合わせて5500K前後にする必要がある。
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自然光とストロボ光がミックスするシーンでは、カメラのホワイト
バランスとストロボ光の色温度が5500K付近になるのが望ましい

 イノンのストロボ「D-2000」シリーズと「Z-240」シリーズは、すべて色温度5500Kで統一されている。ストロボを2灯使用して撮影する場合、左右のストロボで色温度が異なると、光の色の違いで不自然な色が写ることがある。イノンのストロボであれば、異なる機種を組み合わせても、常に安定した色温度でストレスなく撮影できる。
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            Z-240“Type 3”        D-2000“Type 3”


●色温度をほとんど変えない白拡散板

 ストロボに「拡散板」を装着した場合、光の色温度はどうなっているだろうか。5500Kに調整されたストロボ光が、拡散板を通過したことで色温度が大きく変わってしまったのでは、せっかく自然な色合いになるよう調整されたデジタルカメラとストロボのバランスが崩れてしまう。
 一般に使われている拡散板の中には、装着することでストロボ光の色温度を数百Kも低下させるものがある。イノンの白拡散板は、ストロボ光の色温度をほとんど変えずに照射角を広げている。その値は5400Kと、たった100Kの低下だけに抑えている。
 イノンZ-240ストロボを使って、拡散板によってどれくらい光の色が変わるか、簡単な実験をしてみた。
 (1)拡散板なし
 (2)-0.5白拡散板装着
 (3)色コントロールしていない拡散板装着
それぞれの条件で、白い背景紙を露出が同一になるようS-TTLで撮影した。色を調整していない(3)の拡散板では、ストロボの色温度が下がってしまい、光に赤みが加わっているのがわかる。

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(1)拡散板なし

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(2)-0.5白拡散板装着

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(3)色コントロールしていない拡散板装着
  色温度が下がって赤みが加わっている

 一般的に出回っている乳白色半透明のアクリル樹脂は、見た目(反射光)が真っ白でも、光を透かしてみると透過される光が赤黄色に見える。このようなアクリル樹脂をストロボの拡散板に使うと、5500Kに調整されていた光が拡散板を透過するときに赤黄色のフィルターをかけた状態となり、光の色温度が下がってしまう。イノンは、このような樹脂特有の赤黄色を打ち消すため、拡散板の材料に青色の成分を添加している。その青色の濃度も数々のサンプルを作り、比較検討して最適なものを決定している。
 イノンの白拡散板は、「ただ白い拡散板」ではなく、「白いものが白く写るようコントロールされた拡散板」なのだ。

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市販のアクリル樹脂を通して蛍光灯の光を見ると、
白い光が赤黄色に変色してみえる

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最適な青色を探すための拡散板の試作品の数々


●作風やシーンに合わせて色温度をコントロールするストロボシステム

 プロフェッショナルな撮影シーンでは、撮影機材の特性が安定しないのは、ストレスとなる。たとえば、発光量が不安定なストロボは、シャッターを切るたびに露出が変わってしまい、いつまでたっても狙った露出で撮影できなくなる。ストロボの色温度も、機種ごとに異なっていたり、拡散板の「ある・なし」などの条件で変わったりするのも、作品の色調に影響を与える。イノンのストロボシステムは、こういった厳しいプロのニーズに応えられるよう、またアマチュアも安心して撮影できるよう、ユーザーの声と数多くの撮影サンプルを元に商品企画をしている。
 今後は、水中でモデルの女性の肌を健康的に再現したい、濁った海でもクリア感をだしたいなど、撮影者の意図や好みに対応できるよう、ストロボ光の色温度をコントロールできる拡散板システムにも取り組んでいく予定だ。



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テーマ:水中写真 - ジャンル:写真

光接続S-TTL自動調光システム

~S-TTLを活用するためのハウジング選び~


3_Z240発光STTLダイヤル


 オート専用お手軽デジタルカメラから、デジタル一眼レフまで、外部ストロボでの精度の高いTTLオート撮影を可能にした「光接続S-TTL自動調光システム」。INONが開発したこのS-TTL自動調光ストロボ「D-2000」「Z-240」は、デジタルカメラ本体の内蔵フラッシュの発光を、光ファイバによって外部ストロボまで伝達するだけで、容易に適正露出の発光量が得られ、カメラメーカーを問わず作動する汎用性の高いシステムだ。
 INON D-2000ストロボやZ-240ストロボを、S-TTLオートで発光させるには、デジタルカメラに内蔵フラッシュが装備されていることが第1条件である。内蔵フラッシュのないキヤノンEOS 5DやニコンD2Xでは、基本的には、Z-240に電気接続して、外部オートかマニュアルで調光することになる。陸上用の純正ストロボのハウジングを作り、その発光信号を光ファイバで伝達してS-TTLストロボを使用する方法もあるが、かなりの装備になってしまい、現実的ではないだろう。内蔵フラッシュを装備したデジタルカメラでも、内蔵フラッシュをポップアップできない構造のハウジングでは、残念ながらS-TTLは使用できない。これからデジタルカメラとハウジングを購入する方は、汎用性が高く手軽にTTLオート撮影ができる「光接続S-TTL自動調光システム」が使用できるのかを、チェック項目に入れることをおすすめしたい。


●光接続S-TTL自動調光の仕組み

 INON D-2000ストロボやZ-240ストロボに搭載されている「光接続S-TTL自動調光システム」は、デジタルカメラの内蔵フラッシュの発光をTTL信号に見立てて、外部ストロボを同調させるINON独自の方式だ。内蔵フラッシュの発光を光ファイバで伝達するだけの単純な機構なため、ハウジングの製作コストを下げ、電気コネクタからの水没の危険性も無くなる。
 デジカメの内蔵フラッシュは、露出計測用の微弱発光(プリ発光)の後、撮影用の本発光を行う。プリ発光は、デジタルカメラの機種により、1回のものと2回以上のものがある。その内蔵フラッシュの発光を光ファイバでS-TTLストロボに伝達し、S-TTLストロボが被写体に向けてプリ発光と本発光を行う。


3_STTL発光30D内蔵フラッシュ光っている
デジタルカメラの内蔵フラッシュの発光信号を光ファイバで伝達し、S-TTLストロボがプリ発光と本発光を行う




●S-TTLストロボで撮影を楽しむためのINONの取り組み

 INONは、S-TTLストロボとハウジングを光ファイバで接続するための「光Dケーブル・キャップセット」を、対応する“カメラ機種”及び“ハウジング機種”との組み合せごとに専用設計している。「光Dケーブル・キャップセット」には、内蔵フラッシュの光を確実に拾い、光ファイバに伝えるミラーが組み込まれているが、S-TTLが最適に機能するように内蔵フラッシュの位置とミラーの位置を厳密に設計している。また、キヤノンEOS 30D/20D対応の「X-2ハウジング」には、光ファイバ取り付け部に内蔵フラッシュの光を確実に導くミラーが装備されている。INONの対応製品は、安定してS-TTL調光が効くよう設計されている。
ミラー光コネクタ光っている
X-2ハウジング内部に設置されているミラーによりハウジング上方に光を確実に伝達している

3_ADカガミ表3_ADカガミ裏

各コンパクトデジカメ用に専用設計された光Dケーブル・キャップセット




●他社ハウジングでS-TTL自動調光が安定しない場合

 S-TTL調光は、デジタルカメラの内蔵フラッシュを信号として使うため、ハウジング側に複雑な電子回路は必要ない。他社ハウジングでも、内蔵フラッシュの光を拾えさえすれば、S-TTLは問題なく作動している。ただ、一部のハウジングで、精度が悪い状態でしかS-TTLが使えないケースが出ている。例えば、
●陸上でTTLが効いているのに、水中では著しく精度が悪い
●カメラの絞りによってTTL調光精度にばらつきがある
●フル発光となり、極端に露出オーバーになる


 これらの不具合は、内蔵フラッシュの発光がS-TTLストロボのセンサー部にしっかりと伝えられていないことがひとつの原因となっている。デジタルカメラの内蔵フラッシュの発光を、特殊な計測器で測定すると、下のような波形となる。ある小型コンパクトデジカメの内蔵フラッシュは、プリ発光の閃光時間が、20/100万(秒)。また、あるデジタル一眼レフの、プリ発光の閃光時間は、50/100万(秒)であった。本発光の閃光時間は、20/100万(秒)から1000/100万(秒)であった。
オシロ


 S-TTLストロボは、この閃光をセンサーで受けて制御回路が適正露出の光量を計算し、本発光を行う。ここで重要なのは、内蔵フラッシュ発光のスタートとストップがはっきりと伝達されているかである。光量がゼロからHighレベルへ立ち上がる時が発光のスタート信号となり、なだらかな光量低下の途中の急峻な降下が発光ストップの信号となっている。S-TTL自動調光の制度を保つためには、内蔵フラッシュの「ON→OFF→ON→OFF」がはっきりと伝達される必要がある。
3_波形TTLOK
内蔵フラッシュ光が正常に伝わった場合


 何らかの不具合で、内蔵フラッシュの光量が低下して、急峻に降下する時の発光ストップ信号をがあいまいになった場合、S-TTLストロボに伝達される内蔵フラッシュの信号は「ON→OFF→ON→?」になる。結果、S-TTLストロボは、ストップのタイミングを判別することができず、調光の精度が落ちたり、時にはフル発光してしまう。
3_波形TTLNG
内蔵フラッシュ光の光量が落ちて伝わった場合



 S-TTL自動調光システムの精度のよさを発揮させるには、内蔵フラッシュの閃光を効率よく光ファイバに伝達することが重要である。S-TTLストロボを使用して、簡単確実にTTLオート撮影を楽しむために、次のことを参考にハウジングを選びや、対処をしてほしい。


1.内蔵フラッシュ光を、光ファイバ切断面に垂直に入射させる

 光ファイバは、光を通すコアと、コアを取り囲み光を反射させるクラッドからなる二重構造を持つ透明な繊維である。入射角の浅い光はコアとクラッドの境界面で反射が繰り返され、光がファイバ内を進んで行く。入射角が大きい場合は、クラッドの境界面で反射することができず、クラッド内に光が進入し、拡散してしまう。INONが採用している光ファイバーは、入射角の限界が約30度となっている。
 入射角が浅い場合でも、実際には境界面での反射は100%ではなく、光の損失が発生する。反射の回数が多いほど、その損失も大きくなる。光量の損失をできるだけ少なくするため、光ファイバ切断面に垂直に入射させるのが望ましい。
3_光ファイバ断面図




 内蔵フラッシュの発光をより多く伝達するためには、内蔵ストロボ光を光ファイバ断面に、できるだけ垂直に入射させることが望ましい。ハウジングの設計上、デジタルカメラの内蔵フラッシュ正面に光ファイバを取り付けることが難しい場合は、ハウジングにミラー(板金等でも可)を設置し、内蔵ストロボ光を反射させることで任意の場所に光ファイバを取り付けることができる。

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光ファイバを内蔵フラッシュに正面に配置できない場合はミラーを使う




2.防水レンズ部(窓部)は、光ファイバ断面に対して平行に配置する

 内蔵フラッシュの光をハウジングの外部に放射する防水レンズ部(窓部)は、光ファイバと垂直に配置してあるのが望ましい。光ファイバと防水レンズ部(窓部)が斜めになっている場合、その部分が反射板の役割をしてしまい、実際に光ファイバに伝達される内蔵フラッシュの発光量が、その反射分だけ少なくなってしまう。また、防水レンズ部の素材についても、半透明もしくは乳白色な素材は、内蔵フラッシュの光量が減衰するため、透明かつ表面が光沢面仕上げが望ましい。

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3.内蔵フラッシュの中央部分に光ファイバを配置させる

 カメラの内蔵フラッシュの発光部は、中央部に比べて外縁部はわずかながら光量が低下する。フル発光に近い光量では、中央部と外縁部の光量差はそれほどでもないが、絞り開放撮影など、内蔵フラッシュが微小発光する場合は、光量差の影響が大きくなる。光ファイバの取り付け位置が、内蔵フラッシュの外縁部になった場合、TTL調光精度が著しく低下しる場合があるため、光ファイバは中央部付近に配置させる必要がある。光ファイバが、カメラの内蔵フラッシュの発光部から離れたところに配置されているのは、TTL調光ができなくなる可能性が高い。

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4.光ファイバは、抜けないようにしっかりと固定する

 光ファイバがハウジング防水レンズ部より離れると、離れた分だけ光が減衰し、内蔵フラッシュから光ファイバに入射する光が弱まる。このため、光ファイバを最短距離でしっかりと固定出来るようにし、抜けないようにする必要がある。また、ダイビング中に光ファイバを引っ掛けて抜け出しているのに気付かず撮影していることもある。時々、光ファイバが奥まで入っているか確認したほうがよい。
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5.ハウジング内部と外部の2つの光ファイバの芯がずれないようにする

 ハウジング内部に光ファイバを設置して内蔵フラッシュの光を外部に導く場合、ハウジング内部に設置した光ファイバと、ハウジング外部の光ファイバの芯がずれないように設置する必要がある。特に、ハウジング外部の光ファイバを固定する機構にガタがある場合や、元々固定部分に設計上のズレがある場合には、内蔵フラッシュの光を確実に伝達できないことがある。INONで採用している光ファイバの線径は、1.1mmと大変細い為、光ファイバの僅かな中心のズレも、大きな調光精度不良要因となってしまう。
 応急的な対処方法として、光ファイバの被覆の周りにテープ等を巻き、外径を大きくすることで芯を合せることが出来る。ただし、この対処方法だと、光ファイバが抜けやすいので、使用時は光ファイバが奥まで入っているか確認しながら撮影する必要がある。


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6. S-TTL自動調光精度を上げるための対策

 下図のように、内蔵フラッシュの照射軸と光ファイバの軸があってないハウジングの場合、内蔵フラッシュの発光はハウジングの内壁に当たり、減衰しまう。直接光ファイバには伝達されないため、TTL調光精度は著しく落ちてしまうだけでなく、状況によっては調光せずにフル発光してしまう。
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このような場合、次のような対策で改善することができる。
●ハウジング内側壁面にアルミホイル等を貼付け、乱反射する内蔵フラッシュ光量を増やす。その結果光ファイバに伝達する光量を増やす。
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●ハウジング内に、内蔵フラッシュ光を正しく光ファイバに導く為の反射ミラーを設置する。
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アルミホイルをハウジング内壁に貼り付けるという方法は、内蔵フラッシュの発光を直接光ファイバに伝えるといった正攻法ではなく、乱反射量を増やすことで、結果的に光ファイバに伝えられる光量が増えている、といった応急処置的な対策にしかすぎない。内部に反射ミラーを設置して内蔵ストロボの発光を正しく光ファイバに導く対策が確実といえる。



 最後に、ごく一部のハウジングが、残念ながら、構造的な不具合により内蔵フラッシュの光を効率よく伝達できず、S-TTL調光が安定しなくなっている。上記6つの対処法を参考に、少しでも感度を上げたTTLオート撮影で水中写真を楽しんで頂きたい。


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簡単、確実、S-TTLオートストロボ

~デジタル完全対応、新開発TTLシステム~

D2000とZ240

オート専用お手軽デジタルカメラから、デジタル一眼レフまで、外部ストロボでのTTLオート撮
影を可能にした「S-TTL」。INONが開発したこのS-TTL自動調光ストロボは、カメラメーカーを
問わず作動し、しかも高精度の露出制御を行う。




●ストロボ選びで悩みの少なかった銀塩時代

 TTLとは、「Through The Lens」の略で、「レンズを通る」という意味。ストロボから発せられた光が被写体に当たって反射し、?レンズを通って?カメラ内部のセンサーで計測され、適正露出になるようストロボの発光量をコントロールする、これがTTLオートストロボだ。実際に被写体に当たった光の量を計っているので、的確に被写体の露出を求めることができる。
 水中用TTLオートストロボの歴史を紐解くと、1984年に発売された防水カメラ「NIKONOS V」がその始まりで、ニコン純正の水中ストロボSB-102や103に引き続き、各社からNIKONOS V対応の、水中TTLストロボが発売された。このNIKONOS Vに採用された5ピンの電気コネクタは、その後の銀塩水中カメラ(防水カメラや防水ハウジング)にも採用され続け、水中ストロボの接続に、最も採用されている。

ニコノス5ピンコネクタ
ニコノスタイプの5ピン電気コネクタ

 銀塩一眼レフカメラの場合、水中ストロボ選びには、かなりの柔軟性があった。ハウジングにニコノスタイプの電気コネクタが装備され、適切に結線してあれば、ニコン純正の水中ストロボSB-105や、INON Z-220、INON Z-22など、メーカーや機種を問わず、電気ケーブルを接続するだけでTTLオート調光が可能である。

NIKONOSとZ22のセット
INON Z-22ストロボを接続したNIKONOS V


●銀塩で使っていたストロボがデジタルでは使えない!?

 デジタルカメラがダイバーに普及し、水中用TTLオートストロボの事情は大きく様変わりした。デジタル一眼レフ用の防水ハウジングには、銀塩一眼レフ用のハウジングと同じように、ニコノスタイプの5ピン電気コネクタが装備されているものがある。銀塩カメラで使用していた水中ストロボを、そのまま5ピンの電気ケーブルで接続して使えると思い、デジタル一眼レフとハウジングを買い換えたところ、カメラにエラー表示が出たり、ストロボは発光しているのに撮れた画像は真っ暗だったりといったことが起こったのだ。なぜ、銀塩用の水中ストロボがデジタルに使用できなかったのか? それは、銀塩とデジタルではTTLオートストロボのシステムが異なっているからだ。
 銀塩のTTLオートは、ストロボが1回しか発光しないのに対し、デジタルのTTLオートは2~3回発光するプレ発光タイプを採用している。銀塩一眼レフは、シャッターが開くと同時にストロボが発光を開始。被写体に反射して返ってきた光をフィルムが受ける。フィルムに反射した光をセンサーが測定し、適正露出となるまで光を受けたところでストロボの発光を停止させる。このプロセスを1/1000秒ほどの瞬間に行っている。一方、デジタルの場合は、撮像素子であるCCDまたはCMOSの光の反射が少なく、フィルムのような反射光を使った方式では正確な露出測定ができない。そこで、シャッターが開く直前に一瞬発光を行い(プレ発光)、被写体から返ってきた光をカメラ内部のセンサーで直接測定し、適正露出に必要な光量を計算して、シャッターが開くと同時に本発光するシステムを採用している。キヤノンのE-TTL、ニコンのi-TTLなどがこの方式にあたる。


フィルムTTL

銀塩1回発光
銀塩一眼レフの場合、シャッターが開くと同時にストロボが発光開始。適正露出になったところで、ストロボの発光を停止させる


2_TTLデジタル

デジタル
銀塩で使っていたTTLストロボを、プレ発光タイプのデジタル一眼レフに電気ケーブルで接続しても、1回目のプレ発光だけに反応するか、制御できずにエラーが出てTTLオート調光はできない

 従来の銀塩用のTTLストロボを、プレ発光タイプのデジタル一眼レフに電気ケーブルで接続した場合、プレ発光の信号でストロボがフル発光してしまい、次のチャージが間に合わないままシャッターが開き、本発光の信号がくる。結果、自然光だけの暗い画像となってしまう。INONのストロボZ-220のように、2回発光に対応した機種でも、デジタルのTTLオートには対応していないため、デジタルカメラに使用した場合はマニュアルで発光量を調節することになる。
 カメラは銀塩からデジタルへと進化したのにもかかわらず、ストロボはTTLオートが使えない20年以上も前に逆戻りしてしまったのだ。


●デジタル完全対応S-TTLの誕生

 銀塩カメラは、撮影した画像をその場でチェックすることができないため、カメラマンの技量や経験、カンに頼る部分が大きかった。デジタルカメラは、撮った後すぐに画像を確認して、悪ければ取り直しができる。しかも、大容量のメモリーカードを使えば、何百枚でも撮影できる。水中撮影の敷居が一気に下がり、女性やビギナーでもデジタル一眼レフとハウジングを購入する例は少なくない。ところが、水中ストロボがTTLオートを使えないことで、かえって撮影が難しくなってしまったのだ。
 この状況にいち早く対応したINONが世に送り出したのが、「S-TTL」自動調光システムを搭載したD-2000ストロボとZ-240ストロボだ。

STTLダイヤル
S-TTLオート機能搭載のINON D-2000ストロボとZ-240ストロボは、背面のダイヤルをS-TTLにセットするだけで、TTLオート調光が可能

 S-TTLの正式な名称は「光シンクロTTL」。デジカメの内蔵フラッシュの光を信号としてストロボに伝達することで、電気信号を使ったカメラメーカーの純正TTLストロボと同じように、TTLオート調光を可能にしている。S-TTLでは、デジカメの内蔵フラッシュは、光源としてではなく、S-TTLストロボを発光させるためのコントローラー的な役割となっている。
 デジタルカメラの内蔵フラッシュは、本発光の前に、露出計測用の微弱発光(プレ発光)を行う。その光を光ファイバでS-TTLストロボに伝達し、S-TTLストロボが被写体に向けてプレ発光する。被写体に反射したプレ発光の光は、デジカメのレンズを通過してカメラ内部の測光センサーで計測され、プロセッサーが適正露出となる本発光量を計算する。内蔵フラッシュが本発光すると、その光は光ファイバで伝達され、S-TTLストロボが本発光する。

2_STTLプレ発光

2_STTL本発光

デジカメの内蔵フラッシュの発光は、光ファイバによって伝達され、S-TTLストロボが内蔵フラッシュの代わりにプレ発光と本発光を行う



●汎用性の高いS-TTL

 このS-TTL自動調光システムは、プレ発光するデジカメなら、コンパクトデジカメでも、デジタル一眼レフでも、メーカー、機種、撮影モードを問わず全機種対応できる。また、S-TTLは光信号なので、光ファイバが固定できれば、理論上、何灯でもTTLオートでの多灯ライティングが可能となる。
4灯ストロボ光コネクタ4灯
INON X-2ハウジングに、Z-240ストロボを4灯光接続

 コンパクトデジカメでも自動調光を可能としたINONのS-TTLストロボは、ダイバーの間に爆発的に普及した廉価な透明ハウジングでも、シャッターを押すだけで簡単、確実に外部ストロボでの撮影を可能とした。INONは、キヤノン、オリンパス、ソニー、ニコン、フジフイルム、パナソニックなどのメーカーから続々と新発売されるコンパクトデジカメに対し、コンバージョンレンズや光ファイバを取り付けるための「マウントベース」と「光Dケーブル・キャップセット」を次々と発売してきた。その対応機種は、既に50を超え、今後も新機種に対応していく予定だ。
ADマウントたくさんPT036SET
各種デジカメに対応して発売されているマウントベース

 さらに、カメラの内蔵ストロボにクリアフォトフィルムを貼り、可視光線を目に見えない赤外線に変換することで、ハウジングからの内蔵ストロボ光の漏れを防ぎ、透明ハウジングで起きやすい乱反射や浮遊物なの映り込みなどを防いでいる。
クリアフォト
クリアフォトシステム

 S-TTLストロボは、デジカメの内蔵フラッシュを制御信号として使うため、デジカメ本体に内蔵フラッシュが装備されていない、キヤノンEOS 5DやニコンD2Xでは、S-TTLオート調光が使えない。また、内蔵フラッシュが装備されているデジタルカメラでも、内蔵フラッシュをポップアップできないハウジングや、ハウジング側に内蔵フラッシュの光を的確に光ファイバに伝達する機構のないハウジングには使用できない。カメラやハウジングを選ぶ際、S-TTLストロボが使えるかも重要なチェックポイントとなるだろう。
 INONのS-TTLストロボは、プレ発光の内蔵ストロボを水中で発光できるデジカメなら、メーカー、機種を問わず、TTLオート調光が可能だ。デジカメを買い換えても、ストロボはそのまま使える。光ファイバは水中でも自由に取り外しができるため、2台のカメラでストロボを交換することも可能。汎用性があり、そして多灯ライティングでも確実に適正露出になるS-TTLは、水中での理想的な外部ストロボの制御方法といえるだろう。

 


 




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